こんにちは、fumiです。マジックザギャザリングの対戦フォーマットの一つであるレガシーにおいて、私fumiの愛用するテゼレッターというデッキについてと、その採用カードについて掘り下げます。
テゼレッターに興味を持った方の指針になれば幸いです。
(※加筆修正を加える予定ですが2023/4現在の内容です)
テゼレッターとは
デッキアーキタイプ全般に言えることかもしれませんが、テゼレッターの定義は曖昧で、基本的に自己申告制です。しかしテゼレッターならではの特徴として、使っている人間がテゼレットというカードを愛し、デッキに入れることにこだわっている、ということです。テゼレッターとは、環境分析から生まれたデッキコンセプト主導のデッキと言うよりは、あるカードをフォーカスした、カード主導のデッキです。まずはテゼレットは何枚入れるか、から構築がスタートします。
強みの理解
レガシーというフォーマットの魅力は何でしょうか。マジックザギャザリング30年の間に生まれた歴代の派手なカードを使えることでもありますが、やはり好きなカードをローテーションを気にせず使えることではないでしょうか。しかしここでいう”使える”とは、ただ使用できるだけではなく、対戦環境において勝利できることを指します。この定義が、度々議論を呼ぶということは承知していますが、基本的にマジックザギャザリングは対戦ゲームである以上、デッキ構築は勝利を目指すべきと私fumiは考えています。また、レガシーという広いカードプールは、好きなカードで勝つ、を実現させてくれると思っています。(さすがにすべてのカードとまでは言いませんが…)
その上でテゼレッターがどの程度通用するかを理解するために、まずは特徴と強みを整理します。
- 青い
青いので定番カード意志の力を使用可能です。必ず入れるべきカードとまでは言いませんが、意志の力、否定の力を使えることは強力なカードの多いレガシーにおいて相対的に大きなメリットとなります。
- アーティファクトが多め
テゼレットをデッキに入れる以上、ある程度の枚数のアーティファクトが必須となります。
例外はありますが、メインボードでアーティファクトを対処する方法は限られるため、パーマネントとして場に残しやすいです。また、親和や即席、金属術などの能力、ウルザの物語など強力なカードを使用できることも他のデッキにはない強みと言えるでしょう。
構築論やリストを除いて、端的にテゼレッターを表すと上記2点が特徴と言えます。同じ特徴を持つデッキは他にも存在しますが、代表的かつ入賞数が多いものとしては8-castが一番に挙げられます。
類似デッキとの比較
アーティファクトを使うデッキとして8-castとの差異を考察します。誤解を恐れずに少し乱暴な言い方をすれば、この差異を認識しテゼレッターの独自性を見出せなければ、テゼレットというノイズをはらんだ劣化版8-castとも評されかねません。もちろんそれでも、遊ぶ上で問題などありません。しかしテゼレッターを愛用する以上、独自の強みを活かし、テゼレットを輝かせたいものです。
採用カード、ギミック
以上の内容から採用カードを考察します。デッキの構造上、一般的な8-castで採用されているカードはそのまま採用可能かつ、相性や強さが保証されています。本来であればそういったカードも再度考察すべきですが、今回はテゼレッターにフォーカスするため割愛します。
- ボーラスの工作員、テゼレット
2023年4月現在8種類のテゼレットが存在していますが、このカードが最も強いテゼレットだと思います。3つの能力はすべて勝利に直結していますが、特徴的な-1能力を強く使えるのがテゼレッターの強みとなります。ですがデッキを組む動機になるカードなので基本的に考察不要です。
- 悪意の大梟
アーティファクトであり、青いカードであり、飛行を持ち、接死を持ち、ドローを持ちます。すべての能力をメリットとして扱えるため、テゼレッターには優先的に採用できるカードです。このカードによる粘り強さはテゼレッター独自の要素と言えそうです。
ブロックに回ることで実質的なクリーチャー除去カードとして使用できそうですが、除去やバウンスでクリーチャーのアタックを通すタイミングは相手依存になるため、あまり信用できないケースが多いです。飛行クリーチャーであり、アーティファクトである点を活かした構築との相性が良いです。
- 弱者の剣、飛行機械の鋳造所
2枚をそろえる必要がありますが、評価はおおむね悪意の大梟と同じで、積極的な採用が検討できます。
こちらの場合は2枚コンボで勝ち手段になり得ますが速度が速いデッキ相手には動き出しが遅いため間に合わないことがあります。ボーラスの工作員、テゼレットの+1能力でコンボパーツを探せることや、-4能力での勝利が現実的になることは特筆すべき長所です。
しかし、サイドボード後はアーティファクト対策と向き合う必要がある上、この2枚によるコンボはアーティファクト対策に巻き込まれるため、より多面性を求めて採用されないケースが多いです。
- 四肢切断、突然の布告、悪意の熟達、暴君の嘲笑、厚かましい借り手、毒の濁流
除去カードを採用しやすいのは黒を使用しているテゼレッターのメリットです。どのカードを使用するかはある程度プレイ環境のメタによるところではありますが、おおむねメインボードに数枚採用するほうが対応の幅が広がり良い結果につながると思います。
- 知識の渇望
アーティファクト主体のデッキの場合、一般にドローカードとして物読みや思考の監視者が採用されることが多いです。しかしテゼレッターの場合8-castほど高速で親和を達成するほどの0マナアーティファクト枚数を確保できていないことが多いため、知識の渇望の採用は常に検討すべきです。インスタントの除去カードと合わせることである程度構えながらコントロールのようにプレイする選択肢をとれることも、大きなメリットとなります。
- 金線の打破者、アーミクス
スコーペク・ロード
力を欲する者、スタースクリーム
黒の3マナ三銃士です。それぞれ除去、打点強化、対コントロール性能と役割が異なり、デッキの方向性により採用比率を調整する構築となります。注目すべきはいずれもアーティファクトの起動型能力を封じられていても能力を発揮することです。レガシー環境の高速化に伴い、テゼレッターでもこれら高性能なアーティファクトクリーチャーを採用する可能性が生まれました。
試行錯誤
大きく分類したビートダウン型、コントロール型の2種類に加え様々な構築幅があり、自分の好みや得意なデッキタイプに合わせて構築を調整できるのがテゼレッターの楽しさです。
メタ上に存在しているとは言い難いデッキアーキタイプですが、構築によっては決して勝てないデッキではないと思います。
終わりに
30年の歴史を持つマジックザギャザリングの、様々なカードが使用可能なフォーマットであるレガシーは、私fumiの一番好きなフォーマットであり、テゼレッターが相棒のひとつです。本記事は少し体系的とは言い難い内容ではありますが、テゼレッターに興味を持ち、構築に興味をもった方の一助となることを願っています。愛好家の多いデッキではありませんので、構築された方はぜひ発信していただけると、全世界のテゼレッター愛好家が喜びます。